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西大津耳鼻咽喉科 増田信弘先生
開業/2005年1月 滋賀県大津市皇子が丘

開業されてまだ3ヶ月ほどの
滋賀県大津市の”西大津耳鼻咽喉科”を訪ねた。

大阪の桜の満開から4.5日過ぎた4月15日、西大津近辺は丁度花が満開。

クリニックのあるファーストタワー大津MARYは青空の下、琵琶湖を背に聳え立っていた。医療モールはおよそ600戸が入居する38階建ての巨大マンションの1階。モールには増田先生の西大津耳鼻咽喉科の他に、眼科、小児科、整形外科、皮膚科等が開院している。

午前と午後の診療時間の合間に増田信弘先生をインタビューした。クリニックに入った第一印象は”やさしさ”を感じた。

増田先生は開業にあたり内装はインテリアデザイナーに依頼されずにご自分で考えられたと言う。通常、耳鼻科や歯科では複数の診察台が何の仕切りもなく並び、何人もの患者さんが同時に治療を受けている風景がごく普通にみられる。増田先生は「治療を受けている患者さんのプライバシーを考え、2台の診察台をそれぞれ個室に配置しました」と話された。

そして、先生のもう一つのこだわりはトイレである。インタビューを終えた帰り際、「ぜひ、トイレを見てから帰って下さい」と言われた。

「!?」。トイレの扉を開けるとそこには、清潔で暖かみのあるトイレ空間が広がっていた。

小さな子供を連れたお母さんや、身体の不自由な方にも使い良い余裕ある空間が確保され、クリニックのコンセプトの”やさしさ”が隅々まで行きわたっていた。

インタビュアー:森田実(アビックス有限会社)

西大津耳鼻咽喉科 増田信弘先生
略歴  
1992年 関西医科大学卒業
1992年 京都府立医科大学
耳鼻咽喉科入局
1994年 明石市立市民病院
耳鼻咽喉科医員
1995年 社会保険神戸中央病院
耳鼻咽喉科医員
1996年 京都府立医科大学
耳鼻咽喉科助手
1997年 京都第二赤十字病院
耳鼻咽喉科医員
2000年 国立滋賀病院
耳鼻咽喉科院長


増田先生は勤務医を何年されたのですか?
勤務医は大学を卒業して京都府立医大の耳鼻咽喉科に入局してから12年間です。京都府立医大の耳鼻咽喉科には3年間おり助手をしていました。 その後、京都第二日赤を経て、国立滋賀病院耳鼻科を医長で退職し、開業しました。


卒後12年、勤務先の国立滋賀病院では医長という責任あるポジションに付かれ、診療だけでなく、診療科の管理者として、また、十分なキャリアを生かして若い人達を育てる立場にもあり、3つの立場でかなり多忙な日々を送られていたのですね。
どのような仕事でも職場でキャリアを積み重ねるに従い、若手の教育・担当部署の管理は当然なのでしょう。 しかし、医師と言う職業の場合は医師になるにあたり、医療を通じて人の役に立ちたいとか、地域に役立ちたいと言う動機があるのです。ところが勤務医としてキャリアを積むに従い、診療以外の雑務に追われ自分の目的とする医療が曖昧になってしまうのです。段々と自分自身がやりたかった事から離れて行き、ある種の不満が溜まってくるのです。こんなはずじゃなかったと。 すると、頭の中で開業と言う言葉が育ち始めるのです。これが開業のきっかけです。


いつごろから考えられたのですか?
38歳の時に考えはじめ、丁度一年で開業にこぎつけました。以前から、開業するなら40歳までにと思っていました。 最初、妻は開業の話を聞いて戸惑ったようです。でも、知り合いに開業された先生が何人もおられ、それ程、抵抗はありませんでした。一旦、開業に向かって動き出すと積極的にサポートしてくれ、非常に助かりました。感謝の一言ですね。


開業場所はどの様にして探されたのですか?
コンサルタントの方を通じて紹介して頂きました。私は元々大津で生まれ育ったものですから、物件の場所を聞いて直感的に間違いないと思いました。このクリニックの上は約600戸の分譲マンションです。ここ皇子が丘2丁目は10歳未満が人口の約16%、10歳代が6〜7%、20歳代が12%強、30歳代が約25%、40歳代が約15%と住民の約75%は50歳未満なのです。実は滋賀県は人口増加率日本一で、有効求人倍率が関西圏では一番高いのです。マンションや戸建住宅の建設も活発で若い世代を中心に人口流入が続いています。住民に活力がありますので、街の将来が楽しみです。


開業されて、コンサルタントの診療圏調査等の内容と比べ、実際と内容に違いはありませんでしたか?
開業がちょうど花粉症の時期と重なっており、オープンして3ヶ月程ですが、現在、当初予定の1.5倍で1日平均50名を超えています。


開業がうまく花粉症の季節と重なったのですね。
これは偶然ではなくて、耳鼻科ですから花粉症の時期は困られている患者さんが多数おられますし、経営的な側面から考えても、2月オープンを目指しました。


お話をお聞きしていますと、コンサルタントの方とかなり旨く新規開業と言う事業をこなされたと思いますが…
実際には先輩・友人で開業された先生にいろいろと話をお聞きしました。 開業資金の問題にしても、自分の場合となると余りはっきりしない。そこで、コンサルタントと話をしてゆく中で、漠然とした開業イメージを具体的なイメージヘと創り上げました。必要な資金も、医院のコンセプトについても、単に開業がしたいと思うだけでなくこんなクリニックをやりたいと、より具体的なイメージがないと明確にならないと言う事です。 開業は私にとってどんな医療をしたかったのかも何のために医者になったのかを問い直す良い機会になりました。


お話をお聞きしていますと、コンサルタントの方とかなり旨く新規開業と言う事業をこなされたと思いますが…
勤務医時代とは別の緊張感と言うのを感じますね。病院で診療をしている時は、患者さんに対して、診療と言う面では全面的に責任を負いますが、欲しい機器の購入や経営的側面においては院長や事務長など経営的側面の管理者がおり、私の責任だけでは物事は動かない。開業すると、思ったことは何でも決断して出来る代わりに、当然のこととして責任も負わねばならない。機器の購入にしても経営的感覚が要求されます。物事を決める時、自分の後ろには誰もいないという緊張感ですね。


医療モールで開業されたご感想は?
この医療モールは3年前に完成しており、私の耳鼻科が最後の開業でした。既に他のクリニックに定着された患者さんがおられますので、立ち上がりは非常に楽でした。医療モールでは隣のクリニックの患者さんが次回はうちの患者さんでも在り得るのです。戸建開業と違い年齢的に近い先生方が周りにおられ、気軽に相談でき、お互いに助け合えるメリットがあります。病院勤務の時だと、他科の先生に相談があっても、普段からよく話をする先生には相談し易いのですが、出身大学や卒年とか諸々の要素が加わり相談し難い先生もいます。ここでは目指すところは皆同じですから相談もし易いです。 医療モールは一つの利益共同体です。同じモール内のクリニックが流行ってくれると、必然的にうちのクリニックの存在も知って貰えるのです。


開業されるに当たって電子カルテを導入された理由は?
電子カルテ導入理由の一つは、医療モールでの開業ですから、省スペース化を考えねばなりません。カルテ庫のスペースと出し入れの手間、そして、今後の情報化社会を考えると電子カルテは次世代のスタンダードだと思い、最初から電子カルテを導入しました。耳鼻科医の立場から電子カルテに求めるものはシェーマが如何に使いやすいかと言う点です。 耳鼻科医、眼科医はカルテに絵を描き、それを患者さんに見せて説明することが基本になっていますから。


では、ユヤマの電子カルテBrainBoxを選ばれた理由は?
電子カルテはいろいろなメーカーさんのを実際に見て、話を聞きました。その中でユヤマの営業担当の方が此方の提案・要求(検査データ、X線画像などをこの電子カルテに統合し、一元管理できるようにする)に対して積極的に話を聞いてくれ、対応の仕方を一緒に考えてくれたのです。お蔭ですごく使い易いシステムとなりました。


電子カルテBrainBoxを導入され実際に使われたご感想は如何ですか?
診療の現場と言うのは医師が患者さんから耳から言葉で症状や聴診器を通して音を聴き、目で状態を診て、手で触って確認するなど、感性・感覚が情報を得るために重要です。医療は意外とアナログの世界が基本なのです。今回、導入した電子カルテはガチガチのデジタルマシンではなくアナログ的な感性を持っており、デジタルがツールとして機能して我々の感覚・思考・行動までデジタルで制約されない使い勝手の良さが、スムースに入れていいですね。一度使い始めると、紙カルテには戻ることが出来ないほどの使い勝手の良さです。


これから開業される先生に一言…
自分は何のために医者になったのか?そして、どんな医療をしたかったのか?を問い直すことで本当に開業すべきか、勤務医を続けるべきかが明確になると思います。そして、創り上げたいクリニックのイメージも具体的に描けると思います。


開業されて良かったですか?
周りを気にせずに自分がしたい医療を患者さんに提供できることが大変良かったです。

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